パンプキンシードはとても栄養価が高くて、ヨーロッパで食用として好まれてきました。そして、健康ブームの日本でもパンプキンシードは健康食品として加工されております。特に日本で食用利用されているパンプキンシードは、主にペポカボチャの種でありますがパンプキンシードは一体何のか、そしてどれほどの効能があってどのような食べ方が良いのかをご紹介します。
目次
パンプキンシードって何?
パンプキンシードとは、カボチャの種のことを指します。漢方では、「ナンカンニン(南瓜仁)」と呼ばれていて、体内の虫下し効果のある生薬として利用されています。他にも、ドイツ語圏でもペポカボチャと呼ばれていて、こちらも薬用として用いられています。
世界的に見ても、パンプキンシードは健康的な食材や薬用として重宝されていて、果実の部分と同様に、種の部分も昔から重要な栄養源として用いられてきました。カボチャ自体も栄養価が高い食材でありますが、その種であるパンプキンシードについて、これから構成される成分を見ていきましょう。
パンプキンシードに含まれる成分
パンプキンシードに含まれる主な成分は、スチグマステロール、リグナン、10種類のとその他12種類のミネラルで構成されております。私たちにとってあまり聞きなれないスチグマステロールは、植物性ステロールの一種で、主に大豆に多く含まれ、コレステロールの吸収を防ぎます。
続いてリグナンは、植物ポリフェノールの一種で、高い抗酸化力に、女性ホルモン様作用や脂質代謝改善作用などが確認されています。更にリグナン、植物ステロールという健康成分は、ドイツでは排尿障害の薬として用いられています。はビタミンAやビタミンEの他ビタミンK、そしてビタミンB1やビタミンB2などが含まれています。
ミネラル類は、カルシウムをはじめマグネシウム、ナトリウム、カリウムなど体に良いとされている成分がパンプキンシードには含まれています。
パンプキンシードの効能
パンプキンシードの効能として、ミネラルが多く含まれるため、滋養強壮、体力増強など元気になる効能はもちろん、男性に良い効果として前立腺肥大を抑制します。パンプキンシードには、オレイン酸が含まれているので、動脈硬化や高血圧、心疾患などの生活習慣病の予防や、ビタミンEによって肌のシミやシワを防ぐアンチエイジングの効果、冷え症対策、美肌効果も期待できます。
さらにパンプキンシードは栄養価がとても高いので、ダイエットをする際に少量食べることによって、栄養面のサポートが簡単に出来ます。健康面では、パンプキンシードを摂取することにより過敏性膀胱や頻尿など女性が心配な排尿障害を軽減、骨粗しょう症の予防などの効果があります。
パンプキンシードの食べ方
パンプキンシードは、ヒマワリの種の様にそのまま食べるのが定番となっていますが、高カロリーなので注意が必要です。1日あたりに食す量として、10~15粒が良いと言われています。パンプキンシードは香ばしく美味しい食感が良いので、ついつい食が進んでしまうので注意が必要です。
他にもパンプキンシードは、パンやクッキーのお菓子に混ぜたり、スープやサラダのトッピングなど、主にトッピングとして重宝する食材として利用されています。その一方で、パンプキンシードオイルというかぼちゃの種の栄養を濃縮している加工商品も出ていて、美容に関心のある人々の間で注目をされています。
他にも変わったパンプキンシードの楽しみ方として、その種を焙煎してからお茶にして飲むことができます。いわゆるパンプキンティー(カボチャ茶)ですね。
パンプキンシードは栄養満点
カボチャといえば、日本でとても定着したハロウィンイベントですが、そのカボチャの種も栄養満点です。誰もがご存知のようにカボチャは、食品としては栄養豊富な緑黄色野菜として知られています。そして、さらに普段は捨てられてしまう種「パンプキンシード」も、栄養価の高い食品としてその効能が注目されているのです。
ミックスナッツに混ざっていたり、料理やお菓子のトッピングで見かけることはあっても、健康のためにパンプキンシードを食べるというイメージを持つ人は少ないかもしれません。そんなパンプキンシードの作用や効果について、以下に掘り下げた説明をしていきます。
パンプキンシードのアンチエイジング効果
では、パンプキンシードと呼ばれるかぼちゃの種には、どのような栄養素が詰まっているのでしょうか。先ほどもチラッとお話しましたが、まず特筆すべきなのは、不飽和脂肪酸であるオレイン酸やリノール酸がパンプキンシードには含まれています。
パンプキンシードに含まれている不飽和脂肪酸は、コレステロールのコントロールを助け、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病を予防してくれます。また、パンプキンシードにはビタミンEが豊富に含まれているのも特徴です。ビタミンEは、抗酸化作用が高いので、細胞の酸化を防いで老化防止に役立ちます。
さらにビタミンEは血行促進効果もあるので、肌のターンオーバーも促すことができるのです。これらのパンプキンシードの栄養素の効能が、体を若々しく保つ手助けをしてくれます。まさにパンプキンシードは体の内面の若返りに効果が期待できる食材ですね。
パンプキンシードは女性の強い味方
その他のパンプキンシードの栄養素では、さらにポリフェノールの一種であるリグナン類に注目してください。リグナン類は、女性ホルモンのエストロゲンと同じ働きをするといわれています。
エストロゲンは、髪や肌をきれいに保ち、自律神経を安定させる働きがありますが、分泌が不安定だったり、年齢とともに分泌が減るようなことがあります。そのため、リグナン類の摂取はホルモンバランスを助け、更年期障害の軽減や予防、月経不順改善などに役立つのです。
また、エストロゲンの低下は骨粗しょう症も招くので、リグナン類でその予防も期待できます。このようにパンプキンシードは、女性の悩みや気になるところに作用してくれる強い味方ですね。
パンプキンシードは疲労回復にも効果的
パンプキンシードには、亜鉛やマグネシウムなどの健康にとって重要なミネラルも豊富に含まれています。ミネラルは、新陳代謝を促したり、たんぱく質を作る助けをしてくれます。そしてそのたんぱく質も、実は植物の種であるパンプキンシードに、良質なものが含まれているのをご存知でしょうか。
これらのパンプキンシードの栄養素の組み合わせが、体が栄養を吸収して筋肉を作り、老廃物を排出するまでの流れをスムーズにしてくれて、疲労回復や体力増進効果が期待できるのです。運動をされる方にとってもパンプキンシードは、体力の回復を促進させる意味でも強い味方といえるでしょう。
パンプキンシードを上手に取り入れましょう
このように、パンプキンシードは私たちの体い良い様々な効能が期待できます。ただし、どんな食品にも言えることですが、極端に多量に食べることは、かえって健康を害することになってしまいます。
特に、パンプキンシードは、100グラムあたりのカロリーが約570kcalと以外に高めの食材でもあるので注意が必要です。食べ過ぎることなく、適度に摂取することで、パンプキンシードの効能を健康と美容に役立ててください。
パンプキンシードオイルについて
パンプキンシードについて深く理解できたところで、そのパンプキンシードから作られる「パンプキンシードオイル」の効能についてご説明します。コレステロールのコントロールをサポートしてくれる不飽和脂肪酸が多いパンプキンシードオイル。
パンプキンシードオイルの効能を知る上では、オイルとしての成分組成の特徴を知っておくことが大切です。健康や美容に良く、現代人の食生活では不足しているとされる不飽和脂肪酸がパンプキンシードオイルには豊富に含まれています。パンプキンシードオイルに含まれている脂肪酸の63%が多価不飽和脂肪酸であり、リノール酸が全体の48%を占めているのが特徴です。
また、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸も31%も含まれています。この他にもパンプキンシードオイルはα-リノレン酸も15%含み、飽和脂肪酸は13%しか含んでいません。このように、現代人の脂肪酸の摂取バランスの乱れを整える方向に働きかけられるオイルがパンプキンシードオイルなのです。
パンプキンシードオイルは栄養価も高くて有用成分も豊富
パンプキンシードオイルの効能を知る上では、含まれる栄養や有用成分の有無についても知っておくことが大切です。原料となっているかぼちゃには、もともとビタミンAになるベータカロテンやビタミンEが豊富に含まれています。
これらは脂溶性ビタミンと呼ばれ、オイル成分の中に溶け込んでいるため、パンプキンシードオイルにたくさん抽出されているのです。目や粘膜の保護にかかわるビタミンAや抗酸化作用を持つビタミンEは、健康維持に大きな影響を与えます。
この他にも免疫に関わるククルビチンやロズマリン酸などの有用成分を含んでいるため、摂取による良好な効果を期待できるのがパンプキンシードオイルです。
パンプキンシードオイルの効能
パンプキンシードオイルの成分から考えると、生活習慣病対策としての効能を大きく期待できます。パンプキンシードオイルは抗酸化作用を有するビタミンEやビタミンA、不飽和脂肪酸を豊富に含んでいて、アンチエイジング効果を発揮すると考えられるからです。
ビタミンEは血管の状態を改善して血流を促進し、高血圧や高脂血症、糖尿病などの対策にもなると言われています。一方、ククルビチンやロズマリン酸の作用により抗菌作用や抗アレルギー作用も示すのがパンプキンシードオイルの特徴です。この他にも脂質組成の改善によって、便秘の解消やダイエット効果などもパンプキンシードオイルの活用で期待することができます。
パンプキンシードオイルの使い方
パンプキンシードオイルの主要成分は酸化と加熱に弱いことから、成分摂取のために使うときには加熱をしないことが大切です。パンプキンシードオイルは、サラダオイルとして使用したり少量を飲んだりするのが一般的な活用方法となっています。しかし、加熱しても全てのパンプキンシードオイル成分が完全に壊れてしまうわけではありません。
炒め油として使うと酸化されてしまいやすいですが、パウンドケーキなどのお菓子作りに使うなど、空気が少ない状態で加熱できる方法であれば成分の摂取が可能です。このように料理の用途に合わせてパンプキンシードオイルを利用すると、効果的に健康を考えた調味料として活用できますね。
まとめ
- パンプキンシードはとても栄養価が高い食材である
- パンプキンシードは健康の維持にとても有効な食べ物である
- 高カロリーのパンプキンシードは1日10~15粒までの摂取に抑えるとよい
- パンプキンシードは疲労回復の作用が期待できる
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