トリックオアトリートって何を意味していて、その返事は英語で何と答えるのが暗黙のルールなのか、そしてトリック・オア・トリートを断るとどんな種類のイタズラをされるのか気になったことはないでしょうか。トリックオアトリートとは、海外では「お菓子をくれなきゃぁ、イタズラしちゃうぞぉ~」という意味があり、お菓子を子供たちがおねだりする言葉として認知されています。
そんな、トリックオアトリートが一体何なのか、そしてその意味や起源から返事を断るとされてしまうイタズラの種類についてご紹介していきたいと思います。
目次
トリックオアトリートの日本での意味
ハロウィンの際、お化けに扮装した子供たちが口にする有名な台詞があります。それは「トリックオアトリート」というフレーズで、英語のスペルでは「Trick or Treat」と綴ります。Trickとは即ち「いたずらをする」という意味であり、Treatには「お菓子をあげる」というニュアンスが含まれています。それらの両単語TrickとTreatとを選択を意味する接続詞のorで繋ぐことで、直訳すると「いたずらかお菓子か」という相手への脅し文句となるのです。
しかし、「お菓子をくれないと、イタズラしちゃうぞぉ~!」という和訳は意訳であり、トリックオアトリートを正確に表したものではありません。そもそもこのフレーズ自体が省略形で、正式には「Treat me or I'll trick you.」という英語文章になります。Trick youは、「とある目的のためにあなたを惑わせる」と訳すことができるため、「いたずらをする」には少し無理があります。
その一方でTreat meには「私におもてなしをして」という意味合いがあり、子供相手であれば「お菓子をあげる」はそう遠くない意訳です。しかし、そのトリックオアトリートの起源を考えると、おもてなしの解釈は変わってきます。そこには、文化的な要素のもっと深い意味が込められているのです。
トリックオアトリートの起源と本来の意味と広まった理由
トリックオアトリートは、元々はハロウィンでお菓子をねだる子供の台詞ではなかったことをご存知でしょうか。ハロウィンが日本のお盆に例えられることからわかる通り、海外のハロウィンは宗教的な意味を持っています。西洋では、ハロウィンの時期になるとあの世とこの世が繋がってしまい、ご先祖様の良き霊と災いをもたらす悪霊が同時にやってくると信じられていました。
そのため、ハロウィンの日には悪霊に扮した子供たちに家々を回らせて除霊の儀式を行うようになります。これは、悪霊に代わって子供たちに悪さをさせることで一種の厄落としを図るという儀式です。また、他の一説として怖い容姿の姿に仮装することで、悪霊たちから仲間だと勘違いしてもらい、悪さをされるのを回避するというものもあります。
これがハロウィンの元々の始まりとされています。つまり、この「トリックオアトリート」の台詞は子供たちの口を借りて発せられる悪霊たちの心の叫びなのです。そのため、「お菓子をくれなきゃぁ、イタズラしちゃうぞぉ~」という意訳は生ぬるいものであり、悪霊の立場で考えれば「我々を丁重にもてなさなければ、お前たちを惑わせて不幸にしてしまうぞ」という意味になります。
続いて、「トリックオアトリート」が広まった理由の一つに、フレーズが簡潔で発しやすいという点が挙げられます。正しい文法では「Treat me or I'll trick you.」と言うべき所を語呂を良くするために語順を変えて、重要な単語だけをピックアップしており、子供たちでも言いやすいことから徐々に定番フレーズとなっていきました。
日本にハロウィンが入ってきた際にはお菓子のパッケージや飾りなどにこのトリックオアトリートという言葉が多用されたため、英語に馴染みのない人にも盛んに使われることとなりました。ハロウィンと言えばカボチャとトリックオアトリートが連想されるほど、日本でもメジャーな台詞となっています。
トリックオアトリートでお菓子を拒否した場合のイタズラの種類
ハロウィンの日に子供たちが「トリックオアトリート」という言葉に答えなければ、海外ではイタズラ行為が名物となっています。そのハロウィンイベントのイタズラとして、典型的なのは生卵とホイップクリームです。トリックオアトリートを受けなかった場合には、玄関先のドアなどに生卵を投げつけるというのが世界的によく行われています。
ドアだけではなく、庭先や車などにも投げつけていくというちょっと心のダメージが大きいケースもあり、後始末がとても大変になるので気をつけなければなりません。また、生卵と同じくらいよく使われているものとしてホイップクリームが挙げられます。標的になるものは生卵の時と同じですが、脂分が多いので水洗いではあまりきれいにならず、生卵よりも後始末が大変になってしまいやすいのがホイップクリームの特徴です。
もう少し、ハロウィンの攻撃的なパターンのイタズラとして水を使ったものもあります。水鉄砲を持ってきていて、トリックオアトリートでおもてなししてもらえなかったときに子供たちがすかさず水鉄砲で狙い撃ちするというのがよくあるイタズラです。自分が濡れてしまうだけなので気にしないという大人の人もいますが、大勢の子供たちが訪ねてきて一斉射撃されると全身びしょ濡れになってしまって大変な状況になります。
また、水風船もよく用いられていて、同時に投げつけられると大変ですが、屋内に投げ込まれてしまうと後始末も苦労することになりかねません。また、洗濯物などを濡らしてしまうパターンもあるので注意が必要です。ハロウィンのトリックオアトリートを断ると、こういった水攻撃も定番のうちのイタズラですね。
もっとハロウィンをイベント的に楽しむ海外の地域では、その豪快さも増してど派手なもイタズラによく行われます。むしろエスカレートした形とも言えるのがパーティースプレー(ファンストリーマークラッカー)を使ったイタズラであり、家の周り中をパーティースプレーで彩られてしまい、まるでデコレーションされたような状況になってしまうことも少なくありません。
パーティースプレーは後始末は比較的簡単ですが、広範囲にイタズラされてしまうと大変になりがちです。そして、トリックオアトリートのイタズラとしてトイレットペーパーもよく用いられています。庭にあるものをトイレットペーパーでぐるぐる巻きにしてしまうというのが典型的な方法です。車やテーブル、椅子などは代表的な標的ですが、すぐに取り払えば問題はありません。
しかし、少しハロウィンのイタズラに工夫をしている子供たちの場合には水鉄砲や水風船と組み合わせて、トイレットペーパーを濡らしてしまいます。すると簡単には紙クズを取り除けなくなってしまい、後始末にかなり苦労することになるのです。さらにたちが悪い場合には生卵やホイップクリームと組み合わせて手に負えない状況にしてしまうこともあります。
ハロウィンのトリックオアトリートを断ると、このようなイタズラの種類がありますが、それを逆に毎年楽しんでいる大人もいます。子供たちのイタズラを誘って、あえてトリックオアトリートを断って、イタズラによるコミュニケーションを楽しむ地域の大人もいて一種の親睦となっているところもあります。
トリックオアトリートのタブーと注意点ついて
ハロウィンのトリックオアトリートでは、基本的に手作りのお菓子はタブーという事をご存知でしょうか。トリックオアトリートで子供たちのおもてなしをするために手作りのお菓子を準備しようと考える人もいますが、基本的には市販品で個包装されたお菓子を渡さなければなりません。手作りのお菓子は特にタブーとされている地域も多く、行政的な指導もよく行われています。
昔はトリックオアトリートで配る物は手作りのお菓子でも問題はなかったのですが、大きな社会問題やトラブルが発生したためにこのような状況が生まれました。トリックオアトリートでおもてなしに渡したお菓子にいたずらをして子供が被害に遭うというケースが多発したのです。その状況がエスカレートしてもっと深刻な事態が発生しないように、手作りのお菓子はタブーというのが常識化されてきています。
もちろん、このトリックオアトリートでの手作りのお菓子がタブーとなっているのは、不特定多数に配る場合のお菓子であります。そのため、ハロウィンイベントで、身近な間柄の友人宅同士であれば、トリックオアトリートで手作りのお菓子を用意する方も多く、お互いの意思伝達が行われていれば手作りのお菓子であっても問題ありません。
トリックオアトリートの注意事項
トリックオアトリートで子供に遊びに他の家を訪問させるときには、リスクがあるという認識を親が持っていなければなりません。見ず知らずの人の家に訪問してトリックオアトリートをすると、何をされるかわからないという社会状況にある地域も多いからです。
ハロウィンが盛り上がる地域であり、尚且つ知らない人の家を訪問する場合には親が必ず子供たちと一緒に出かけていき、少し離れたところから様子を窺うようにするのが安全にハロウィンイベントを楽しませるための注意点となっています。また、子供たちが安全にトリックオアトリートを行えるようにするには訪問先を限定するのが大切です。
理想は知人宅にだけ訪れるようにし、互いの了解を持ってハロウィンイベントを愉しめば大きな問題が起こることはまずありません。親同士の理解もできていれば、多少のトリックオアトリートでのエスカレートがあったとしても子供に危害が加わることはないでしょう。お菓子も安全なものだと考えられるので、互いに理解できているなら手作りのお菓子を準備しても問題はありません。
ハロウィンイベントでは誤解を生まないように、予めハロウィンの前に親同士で話し合いをしておくのが望ましいです。一方で、地域によっては見ず知らずの家にトリックオアトリートをしにいっても問題がない場合もあります。むしろそれが好まれる地域も世界的には存在しますが、必ずしも全ての家が安全であるとは限りません。
心無い人が細工したお菓子を子供に与えてしまうこともないわけではないでしょう。そのため、お菓子をもらったときには、すぐにその場で食べないように子供に注意しておくことが大切です。親が実際に見てみて明らかにおかしいところがないかを確認した上で、子供に食べさせるようにすれば心配はありません。ハロウィンでは、このような工夫をしておかないと安心できない世の中になってしまっているので、親が十分に子供のことを気にかけることが大切です。
トリックオアトリートのマナーとトラブルについて
「トリックオアトリート」とは何ぞやということが理解できたところで、今度はそのトリックオアトリートの正しいマナーをご存知でしょうか。ハロウィンは、古代ケルト人が起源といわれており、秋の収穫を祝い魔女などを追い出す意味合いを持つ祭りのことです。日本でも、仮装した子どもたちが「トリックオアトリート!(お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ!)」と言いながらお宅訪問をすることで有名なイベントという事をお話してきました。
せっかくのハロウィンイベントですから、子どもたちに「トリックオアトリート」を体験させてあげたいものですが、マナーを知らないとトラブルが起こりかねません。ここでは、ハロウィン時のお宅訪問マナーや気を付けたいトラブルについて紹介していきます。
トリックオアトリートの訪問先にはあらかじめ予告が必要
ハロウィンイベント当日であれば、トリックオアトリートで突然自宅を訪問しても快く出迎えてくれるわけではありません。ですから、訪問を考える相手(地域)には事前に連絡をし、子どもたちが訪れることを伝えておくことが大切です。訪れるおおよその時間や、グループであれば人数など、当日を予測して準備できるように情報を伝えるようにしましょう。
また、訪問する時間は20時前後までがトリックオアトリートでは理想的です。海外のトリックオアトリートでは21時までが一般的ではありますが、子どもが訪れることを考えると早めに行くのが良いでしょう。訪問の際には、トリックオアトリートで大きな声を出したり騒いだりしないように、子どもたちに言い聞かせておきましょう。
大人が同伴することもマナーの一環
「トリックオアトリート!」と言いながらお宅訪問するシーンは子どもたちだけで行っている印象ですが、必ず大人が同伴するようにしてください。まず、トリックオアトリートでは時間帯が遅いため、思わぬ事故や事件に巻き込まれてしまう危険性があります。子どもたちにとって慣れない夜道は、交通事故や誘拐事件につながりやすいものです。
また、ハロウィン仮装した子どもたちだけで歩いているというシチュエーションは、誘拐犯にとっては絶好のチャンスと言えるでしょう。必ず大人が同伴し、目の届く範囲にいるようにしてください。そして、訪問先でトリックオアトリートのお菓子をもらうかと思いますが、その場では食べないようにしましょう。悪意のある家がないとは言い切れません。
お菓子に毒物を添加されている可能性もゼロではありませんので、帰宅してから大人の目でしっかりトリックオアトリートで貰ったお菓子を確認するようにしてください。同様の理由で、不特定多数に配られるような地域やイベントの場合、見知らぬ人からのトリックオアトリートでのお菓子は受け取らないようにしてください。
反対に、子どもたちにお菓子を渡す側である場合、地域イベントなどで見知らぬ子供が繰る場合にはトリックオアトリートで手作りのお菓子は避けましょう。食中毒やアレルギーなど、好意で渡したものが大きな事故につながりかねません。日頃からよく知っている間柄であれば問題ないですが、そうでない場合はリスクを回避する上でも、お宅訪問で渡すお菓子に手作りは避けた方が良いでしょう。
大人がサポートすることで、安心安全にハロウィンイベントの「トリックオアトリート」の楽しさを体験させてあげたいものですね。
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